最高裁判所第三小法廷 昭和27(オ)1030 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人加藤定蔵の上告理由(後記)第二点について。
所論は、原審が鑑定人Dの鑑定書を証拠としないで事実判断の資料から除外した
のは、審理不尽若しくは釈明権の行使を誤つた失当があると非難する。しかし記録
を調べてみると、原審の口頭弁論調書(昭和二七年六月一七日)には明らかに、「
双方代理人はD作成の鑑定書は援用しないと述べた」と記載されている。このよう
に原審において当事者自から鑑定書を援用しない旨を述べていながら、上告審に至
り原審がこれを証拠としなかつたことを攻撃するが如きは上告理由として許されな
いものであり、論旨は採用のかぎりでない。
所論第一点は、原審の証拠の取捨判断ないし事実認定を非難するに帰し「最高裁
判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律
一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に
関する重要な主張を含む」ものと認められない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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